納豆茶漬
北大路魯山人は、著作の中で「お茶漬けの味」と題し、数種のお茶漬について言及している。
お茶漬を、単なる賄い飯としてではなく、美食の粋と位置づけるところに彼の美学が感じられ、学生時代には夢中になって読んだものだ。
曰く、「海苔の茶漬」「塩昆布の茶漬」「塩鮭、塩鱒の茶漬」「鮪の茶漬」「天ぷらの茶漬」「鱧、穴子、鰻の茶漬」「車蝦の茶漬」「京都の鮴の茶漬」・・・。
後半3種を除いては、大変に庶民的でポピュラーな茶漬であることにも驚く。
バーや居酒屋で、たまたま隣り合ったもの同士、美味談義に華を咲かせるのはとても楽しいものだが、「茶漬」の話なども身近な料理である分、その人の通人ぶりが伺えてなんとも楽しい。
「鯛茶」や「だし茶漬」を真っ先にあげるスノッブな人達とは、徹底的に趣味があわないんだけどね。(笑)
いつか僕も魯山人を気取って、お茶漬ベスト10をやってみたいと思ってはいるのだが、なかなかむずかしいものである。
で。
その魯山人お気に入りのお茶漬けの中で、長い長い年月、僕の中でシカトしてきた茶漬が、この「納豆茶漬」である。
「大徳寺納豆」や「浜納豆」ではない。
ふつうの「納豆」で茶漬をするというのである。
あの糸ひく納豆。
ルビー・チューズデイ37歳。
酔ったいきおいにまかせ、ついに禁断の味に挑戦してみた。
ふつうにうまい。
っていうか、さっぱりしてていいよ、これ。
魯山人風の納豆茶漬について、興味のある方は彼の著作にあたっていただくとして、ここのところ1週間ほど食べ続けてあみだした(笑)ルビ風納豆茶漬をご紹介しておきます。
納豆は醤油だけくわえてさっと練ります。
あんまりがんばらなくていいです。
めんどくさいですから。
ネギもカラシもいれません。
付属のタレはやめてね。
ヘンテコな味になるから。
これをごはんの上にのせまして、昆布の佃煮とワサビを添えます。
たっぷりの煎茶をかけて召し上がれ。
お茶によって、納豆の香りがずいぶんと抑えられるので、納豆好きな方にとっては、ちょっと拍子抜けする味かもしれません。
by ruby0806
| 2006-08-01 17:24