梅安先生の大根鍋 河豚ひれ酒 刺身 焼鳥 カニおじや
火鉢に小鍋が掛けられる。
昆布を敷いた湯の中へ、厚めに切った大根が、もう煮えかかっていた。
これを小皿にとり、醤油をたらして食べる。
何の手数もかけぬものだが、大根さえよろしければ、こうして食べるのが梅安は大好物であった。
「さ、おあがり下さい」
梅安が小皿にとった大根をすすめると、
「へ・・・」
ちょっと半右衛門が目をみはって、
「ちょうだい、いたします」
「おいしいものでございますな」
と、いった。
(略)
「もうひとつ、いただいて、よろしゅうございますか」
「さあさあ、お気に入ったなら、いくらでもあがって下さい」
ふうふういいながら、二人は、しばらくの間、大根を食べ酒を飲んだ。
「すっかり、もう、あたたまりましてございますよ、先生」
仕掛人 藤枝梅安 『闇の大川橋』
湯豆腐の大根版ながら、大根好きにとっては最上の食べ方でしょう。
酒は「冷や」でもいいし、「燗」でもいい。
薬味は野暮ですが、「赤い柚子胡椒」や「かんずり」くらいなら。
女房にも大好評な鍋でした。
昨夜食べたカニ殻でおじやを ↓
by ruby0806
| 2012-12-25 20:32